秋から冬に岸からカレイを狙うなら、まずは釣行先で投げ釣りの釣果が出ているかを確認しましょう。場所を選んだら、砂泥底の変化を探し、エサを止めて待つ釣りを組み立てます。遠投だけにこだわらず、近距離と沖の底の感触を比べることが大切です。

初めてなら竿1本で始めると、エサの状態や竿先の変化を見落としにくくなります。底を探って投げる位置を決め、着底後は糸のたるみを取って竿掛けに置きます。回収間隔は最初から長くせず、エサが残っているかを確かめながら調整しましょう。

秋から冬の釣行時期は、地域の釣果で判断する

「秋から冬」という季節だけで、どの地域でもカレイが釣れるとは判断できません。釣行先の釣具店や釣果情報で、カレイの種類、釣れた日、岸からの投げ釣りによる釣果かどうかを確認してください。

前年の実績は候補選びの参考になりますが、今年も同じ時期、同じ距離で釣れるとは限りません。できるだけ直近の情報を使い、狙う場所を絞りましょう。

今回の田ノ浦漁港の提供資料には、関西釣り部による港内の桟橋でのカレイの紹介と、かんつり!による冬の投げ釣り対象魚としての紹介があります。ただし、これだけで秋から冬の継続的な釣果や現在の釣り可否まで確認できるわけではありません。特定の釣り場へ向かう際は、釣果情報とは別に利用可能な区域と投げ釣りの可否を確認してください。

道具は底で仕掛けを落ち着かせられる組み合わせにする

投げ竿とスピニングリールに、天秤付きオモリとカレイ用の市販仕掛けを組み合わせると準備しやすくなります。天秤は、オモリと針につながる糸を離し、仕掛けの絡みを減らすための部品です。

道具選ぶときの確認点
竿投げ釣り用で、使用するオモリがメーカーの適合範囲に入るもの
リールと道糸使用するオモリや投げる距離に合う投げ釣り用の組み合わせ
オモリ竿の適合範囲内で、底を転がり続けない重さや形を選ぶ
仕掛けカレイ用の1〜2本針。初めは全長が短めのものが扱いやすい
エサアオイソメなどの虫エサ。種類や大きさは釣行先の実績も参考にする
周辺用品安定する竿掛け、指を保護するフィンガープロテクター、針外し、取り込み用の網

重い投げ釣り用オモリを、軽いルアー用ロッドで無理に投げないでください。竿の表示を確認し、仕掛けを含めて無理のない組み合わせにします。

投げ釣りでは、投げる瞬間の負荷を受ける力糸(ちからいと)も重要です。道糸の先に接続する太い糸で、投げ釣り用の製品を道糸とオモリに合わせて選びます。長さや接続方法は製品の説明を確認し、投げる姿勢で力糸がリールのスプールに十分巻き込まれるようにしてください。

投げる前は、結び目、糸の傷、竿先やガイドへの糸絡みを点検します。後方だけでなく左右と着水先も確認し、人や船に向けて投げないでください。投げ方に慣れないうちは、遠投よりも安全に同じ方向へ投げることを優先しましょう。

底質はオモリをゆっくり引いて比べる

底質とは、海底が砂・泥・石などのどれでできているかということです。カレイを待つ場所を探すときは、砂泥底を候補に、硬さが変わる所や緩いかけ上がりを比べます。かけ上がりは、浅い側へ向かう海底の斜面です。

  1. 針を付けず、オモリだけの状態で無理のない距離へ投げます。
  2. 着底したら糸のたるみを取り、竿をゆっくり動かしてオモリを少しずつ引きます。
  3. 竿を元へ戻すときに、リールで余った糸を巻き取ります。
  4. 感触が変わった位置を、投げた方向や巻き取った回数と一緒に覚えます。
  5. 距離を変えて投げ、同じ操作で比べます。
手元の感触考えられる底の状態次の操作
比較的なめらかに引ける砂底などの可能性待つ場所の候補にする
重く、粘るように感じる軟らかい泥やオモリの埋まり込みの可能性少し位置を変え、同じ感触が続くか比べる
細かな硬い感触が続く小石や貝殻が混じる可能性周囲の引きやすい場所も探す
急に強く引っ掛かる石・障害物・段差などの可能性無理に引き続けず、その位置を避ける

感触だけで底の材質や魚の有無を断定することはできません。流れやオモリの形でも引き抵抗は変わります。同じ道具で比較し、繰り返し変化が出る位置を探すための手掛かりとして使いましょう。

巻き取った回数も、距離を厳密に測るものではなく、同じ道具で位置を比べる目安です。大きく方向を変えるときは、隣の釣り人の仕掛けと交差しないか確認してください。

エサを付けて投げ、置き竿で待つ手順

1.虫エサは投げてもずれにくいように付ける

虫エサの頭側から針を刺し、針の軸に沿って通して、途中で針先を外へ出します。初めは1匹掛けで、投げた後もエサが残る付け方を優先しましょう。

エサだけ取られるときは、針から垂らす部分を短くして比べます。エサが残り、仕掛けの絡みも少ない状況なら、房掛けを試す方法もあります。房掛けは複数の虫エサを1本の針に付ける方法ですが、付けすぎると投げにくくなるため、少量から試してください。

2.着底後はオモリを動かさず糸を整える

探っておいた場所へ投げ、オモリの着底を確かめてからリールのベールを戻します。ベールは、糸を巻き取るための金属製のアームです。糸の出方だけでは着底が分かりにくい場合もあるので、流れや風で糸が膨らんでいないかも見ましょう。

糸のたるみをゆっくり巻き取り、竿先にわずかな張りが出る程度で止めます。強く巻いて、狙った位置からオモリを動かさないようにします。

3.竿掛けに置き、短めの間隔でエサを確かめる

竿掛けは倒れないように設置し、通路を塞がない位置に置きます。リールのドラグは、強い引きが加わったときに糸を送り出す機構です。置き竿中は強い負荷で糸が出る状態に調整しますが、ドラグを緩めるだけで竿の引き込みを防げるわけではありません。竿から離れず、竿掛けと竿の安定を確認してください。

回収間隔の決め方として、最初は5〜10分ほどでエサを確認する方法があります。これは固定の正解ではなく、様子を見るための出発点です。エサがなくなっていたら次は早めに回収し、十分残るなら少し待ち時間を延ばします。

待っている間も、竿先と糸の張りを見ておきましょう。仕掛けが流れている、海藻が掛かったように張りが強くなる、といった変化があれば、時間を待たずに回収して確認します。

アタリは糸のたるみを取ってから確かめる

竿先が小さく震える、ゆっくり曲がる、張っていた糸が急に緩む、といった変化がアタリの候補です。ただし、波や流れ、漂流物でも似た動きが出るため、竿先の動きだけでカレイと決めつけないでください。

小さな変化だけで大きくあおらず、まず竿を持って糸のたるみを巻き取ります。置き竿中にドラグを緩めていた場合は、魚とやり取りできる張りへ調整してください。締め切らず、強い引きには糸が出る状態を保ちます。

魚の重みや引きが伝わったら、竿をゆっくり起こして針を掛け、そのまま急に緩めないように寄せましょう。「カレイは必ず長く待ってから合わせる」と決めつけず、明確に引き込まれているときは待ち続ける必要はありません。

足元まで寄せた魚は、大きさと足場に応じて網で取り込みます。無理に抜き上げたり、水面をのぞき込もうとして身を乗り出したりしないでください。

釣れないときはエサ・仕掛けの安定・距離の順に見直す

  • エサがなくなる:回収間隔を短くし、針から垂らす部分を短くして比べる。針やハリスの傷も確認する。
  • 仕掛けが流れる:余分な糸のたるみを整える。改善しなければ、竿の適合範囲内でオモリの重さや形を変えるか、流れの弱い場所へ移る。
  • エサは残るが反応がない:回収してエサの状態を確かめ、距離か方向のどちらか一つを変える。
  • 泥や海藻が毎回付く:エサが埋まったり隠れたりしている可能性を考え、少し横や手前へ投げ直す。

例えば、沖ではエサが残り続け、手前に底の硬さが変わる場所があったなら、次は手前で待って比べます。一度に距離・方向・エサをすべて変えるより、一つずつ変えた方が違いを整理しやすくなります。

釣れたときは方向、距離の目安、時間、流れの様子を記録しておきましょう。次の投入位置を決める材料になります。

竿を増やす前に、1本を確実に管理する

置き竿で待つ釣りでも、放置してよいわけではありません。竿を増やすのは、エサの確認、アタリへの対応、周囲の安全確認を1本で無理なくできるようになってからにしましょう。

混雑時は投げる範囲を広げず、船の航路や係留ロープを避けてください。ライフジャケットを着用し、現在の利用条件を確認できた場所で釣りをします。立入禁止や釣り禁止の表示がある場所では竿を出さず、路上駐車やゴミの放置もしないでください。

カレイの投げ釣りでは、遠くへ投げること以上に、エサが付いた仕掛けを狙った場所に落ち着かせ、状態を確かめながら待つことを意識しましょう。