釣りで潮汐表を見るときは、釣り場に合う地点を選び、満潮・干潮の時刻と潮位を確認することから始めます。大潮・小潮などの潮回りは、その後に見る補助情報です。
潮汐表で分かるのは、主に潮の満ち引きによる海面の高さの予測です。「大潮だから釣れる」「満潮の時刻が必ず時合」とは限りません。時合とは、魚の反応がまとまって出る時間帯のこと。釣行時間は、潮位の変化に朝夕の明るさや天候を重ねて決めます。
潮汐表はこの順番で読む
- 釣り場に対応する地点と、釣行日を選ぶ。
- 満潮・干潮の時刻と、そのときの潮位を確認する。
- 釣りをする時間が、上げ潮か下げ潮かを確認する。
- 潮回りを補助情報として見ながら、表の数値で潮位差を確認する。
- 天気・風・波、日の出・日の入りを別に確認する。
地点は、距離が近いという理由だけで選ばず、釣り場と同じ湾や沿岸を代表する地点を優先します。湾の内外などでは、満干潮の時刻や潮位差が異なることがあります。選んだ地点の予測が、釣り場でそのまま当てはまるとは限らない点にも注意してください。
日付の切り替わりにも注意が必要です。夜釣りで午前0時をまたぐ場合は、翌日の表も確認します。海外のサービスを使う場合は、時刻表示が日本時間かも確かめましょう。
満潮・干潮の時刻と潮位は何を表す?
| 表示 | 意味 | 釣行で見る点 |
|---|---|---|
| 満潮 | 海面の高さが上昇から下降へ切り替わるころ | 足場や帰り道が水没しないか |
| 干潮 | 海面の高さが下降から上昇へ切り替わるころ | 釣り座の前に十分な水深が残るか |
| 潮位 | 決められた基準面から測った海面の高さ | 同じ地点で、時間ごとの高さを比較する |
| 上げ潮 | 干潮から満潮へ、海面が高くなる時間帯 | 水深が増えることを踏まえて釣り方や退避時刻を考える |
| 下げ潮 | 満潮から干潮へ、海面が低くなる時間帯 | 浅くなる場所や露出する障害物に注意する |
満潮・干潮は、多くの場所でおおむね1日に各2回あります。ただし、地域や日によって回数や間隔は異なります。時刻を固定して覚えず、その日の表を確認しましょう。
潮位が「150cm」と表示されていても、釣り場の水深が1.5mという意味ではありません。水深は海底の高さによって変わります。また、サービスや地点によって基準面が異なる場合があるため、別の表の数値をそのまま比較しないようにします。
潮汐グラフで分かること・分からないこと
横軸が時刻、縦軸が潮位のグラフなら、線が上向きの区間は上げ潮、下向きの区間は下げ潮です。山が満潮、谷が干潮に当たります。
線の傾きが大きい区間は、海面の高さが速く変化する区間です。ただし、潮汐グラフの傾きは、その釣り場の潮流の速さそのものではありません。潮流とは、潮の満ち引きに伴う海水の流れです。
実際の海水の流れは、海峡・湾・港の形や風などにも左右されます。満潮・干潮の時刻と、潮流が弱まる「潮止まり」の時刻が一致しない場所もあります。流れの予測が必要な海域では、潮汐表とは別に潮流の情報を確認します。
大潮・中潮・小潮は「釣れる順番」ではない
潮回りは、月と太陽の位置関係に伴って変わる潮の周期を表す呼び方です。代表的な違いは、満潮と干潮の潮位差にあります。
- 大潮:新月・満月のころに当たり、潮位差が大きくなりやすい。
- 中潮:大潮と小潮の間などに当たる。
- 小潮:半月のころに当たり、潮位差が小さくなりやすい。
- 長潮・若潮:小潮の後、次の大潮へ向かう途中に使われる呼び名。
潮位差が大きい日は、浅場の水深や岸際の状態が大きく変わります。また、潮流が強くなる場所では、仕掛けを扱いにくくなることもあります。ただし、潮回りの名前だけで、その場所の流れの速さは判断できません。
小潮でも、魚が回遊してきたり、朝夕に餌を追ったりすれば釣れる可能性があります。潮回りの名前だけで釣果を判断せず、釣り場の水深や釣り方に合うかを考えましょう。
釣行時間の決め方|架空の潮汐表で考える
次は読み方を説明するための架空の数値です。実際の釣行には、目的地の当日の予測を使ってください。
| 時刻 | 状態 | 潮位 |
|---|---|---|
| 5:30 | 干潮 | 40cm |
| 11:40 | 満潮 | 160cm |
| 17:50 | 干潮 | 50cm |
この例では、5時30分の干潮から11時40分の満潮までに、潮位が120cm上がる予測です。7時から10時に釣るなら、干潮後の上げ潮に当たります。朝の時間と、水深が増えていく時間を重ねた計画ですが、この時間が必ず釣れるという意味ではありません。
この表だけでは、7時や10時の正確な潮位までは分かりません。途中の潮位を知りたい場合は、時刻ごとの予測値や潮汐グラフも確認します。
浅い岸際を狙う場合は、干潮直後に十分な水深があるかを確認します。深さのある堤防でサビキ釣りをする場合は、潮回りだけでなく、魚の回遊や餌への反応も見て、仕掛けを入れる深さを調整します。
初めての海釣りでは、潮に合わせて暗い時間や危険な足場を選ぶより、明るい時間に安全な場所で始めることを優先してください。10月に釣行する場合の準備や当日の流れは、10月の海釣り初心者向け準備ガイドでも確認できます。
潮汐表とは別に確認する安全情報
潮汐表の予測だけで、足場や帰り道の安全を判断しないでください。実際の海面は、気圧や風の影響で予測とずれることがあります。波が足場を洗う高さも、潮位だけでは分かりません。
- 風・波・気象警報などを確認し、荒天時は釣行を見送る。
- 低い磯や干潮時に渡れる場所では、帰り道が水没する危険がある。満潮時刻まで安全とは考えず、退避時刻を判断できない場所には入らない。
- 立入禁止や釣り禁止の表示、施設の利用時間を守る。
- 海辺ではライフジャケットを着用する。
釣行後は、釣れた時刻と場所、潮汐表の予測潮位、現地で見た流れや天候を記録しておくと役立ちます。「大潮で釣れた」だけでなく、「この場所では、上げ潮で岸際に水深が出た時間に反応があった」と残すと、次の計画に使いやすくなります。


