知らない魚が釣れたら、素手でつかまず、針を外す前に姿を確認してください。アイゴ、ゴンズイ、ハオコゼは、堤防釣りでも掛かることがある、毒のある棘を持つ魚です。小さな魚でも、刺される危険があります。

見分ける手掛かりは、アイゴの「平たい体と小さな口」、ゴンズイの「口ひげと黄色い線」、ハオコゼの「まだら模様と高い背びれ」です。ただし、色や模様だけで魚種や安全性を判断してはいけません。魚ばさみや長いプライヤーを用意し、種類がわからない魚にも直接触れないようにしましょう。

アイゴ・ゴンズイ・ハオコゼの見分け方を比較

魚種見分ける手掛かり特に注意する棘
アイゴ左右に平たい体と小さな口。体に細かな斑点が見られる背びれ・腹びれ・尻びれの毒棘
ゴンズイナマズのような姿と口ひげ。暗い体に頭から尾へ続く黄色い線背びれと左右の胸びれの毒棘
ハオコゼ小さな体にまだら模様。頭が大きく、背びれが高い高く立ち上がる背びれの毒棘

背びれは背中、胸びれはえらの後ろ、腹びれは腹側、尻びれは腹側の尾に近い位置にあるひれです。毒棘は、刺さると毒が傷に入る棘のことです。背中を避けるだけで安全につかめるわけではありません。

アイゴ|平たい体と小さな口が手掛かり

アイゴは体が左右に平たく、横から見ると背中から腹までの幅がある魚です。口は小さく、体色は黄褐色や灰褐色などで、細かな斑点が見られます。

体色は状態によって変わるため、「黄色くないからアイゴではない」とは判断できません。体の形、小さな口、ひれの形を合わせて確認します。

危険なのは、背びれだけでなく腹びれと尻びれにも毒のある棘があることです。腹側を手で支えたり、タオル越しにつかんだりする際にも刺されるおそれがあります。

釣れた魚がバケツの中で横になっていても、手を入れて持ち上げないでください。魚が急に動くと、棘が手に当たる危険があります。

ゴンズイ|口ひげと黄色い線を確認

ゴンズイはナマズに似た姿で、口の周りに4対、計8本のひげがあります。体は黒褐色などの暗い色で、体側には頭から尾へ続く黄色い線が見られます。

尾に向かって細くなり、後半の体つきがウナギのように見えることもあります。海で釣れた魚に「口ひげ・暗い体・黄色い線」がそろっていたら、触らずに確認しましょう。

毒のある棘は背びれと左右の胸びれにあります。頭のすぐ後ろを握る持ち方も危険です。胸びれの棘が左右に張り出すため、横からつかんでも刺される可能性があります。

投げ釣りなどで掛かったときは、魚を手で押さえて針を外そうとしないでください。暗い時間は模様も棘も見えにくいため、まずライトで全体を照らします。

ハオコゼ|小ささに油断せず、高い背びれを見る

ハオコゼは全長10cm前後の小さな魚です。頭が大きく、赤褐色や褐色などのまだら模様があり、頭の後ろから背びれが高く立ち上がります。

色には個体差があります。赤い魚だけを警戒するのではなく、頭の大きさと背びれの形も確認してください。

カサゴなどに似て見えることがありますが、見慣れない小魚を「カサゴの子どもだろう」と決めつけてつかむのは危険です。ハオコゼの背びれには毒のある棘があります。

サビキに小さなまだら模様の魚が掛かっても、素手でつかんで外さないでください。複数の針が付いた仕掛けでは、魚の棘に加えて、空いている針にも注意が必要です。

毒魚が釣れたときの安全な対応

  1. 魚を素手でつかまない。同行者にも触らないよう伝え、子どもを近づけないようにします。
  2. 魚を顔や体の近くでぶら下げず、タモなどで受けて落ち着いて確認します。タモは魚をすくう網です。
  3. 魚種と棘の位置を確認します。わからなければ、毒のある魚として扱います。
  4. 魚体を安定して保持できる魚ばさみと、手を魚から離して針を外せる長いプライヤーを使います。
  5. 安全に針を外せない場合は作業を中止し、管理者がいる釣り場では管理者に相談するなど、無理に作業を進めないでください。

道具があっても、魚を十分に固定できなければ安全とはいえません。小さな魚では、口をつかむタイプのフィッシュグリップが使いにくい場合もあります。無理に口へ差し込まず、道具が魚の大きさに合っているか確認してください。

軍手やタオルは、毒のある棘を確実に防ぐものではありません。手袋を着けていても、魚を直接握らないことが基本です。

死んだ魚でも、棘に刺される危険は残ります。堤防や通路に放置すると、別の人が踏んだり触れたりするおそれがあります。針を外した魚を海へ戻す際も、手で持って運ばず道具を使ってください。

初めての海釣りで道具や当日の流れを確認したい場合は、10月の海釣り初心者向け準備ガイドも参考になります。

棘に刺されたら、釣りを中断して医療機関へ

毒魚に刺された、またはその疑いがある場合は、釣りを続けず、速やかに医療機関へ相談・受診してください。息苦しさ、意識がぼんやりする、全身のじんましんなどがあれば、すぐに119番へ連絡します。

  • 傷口を清潔な流水で洗います。
  • 指輪など、腫れると外しにくくなる物を早めに外します。
  • 傷を切ったり、口で毒を吸い出したりしないでください。
  • 深く刺さった棘を、無理に掘り出さないでください。
  • 安全に撮影できるなら魚の写真を撮り、刺された時刻と一緒に医療機関へ伝えます。魚を手で持って撮影する必要はありません。

これらの魚による刺傷では、やけどしない程度の温水に患部を浸すと、痛みが和らぐ場合があります。40〜45℃程度が目安とされますが、温度計で確認し、熱さを我慢して浸けないでください。この温度でもやけどの危険があるため、特に子どもや感覚が鈍い人には注意が必要です。

温水で痛みが軽くなっても、棘の残留や傷の感染などへの対応が必要な場合があります。温水処置のために受診や救急要請を遅らせないでください。

3種に当てはまらなくても、安全とは限らない

海で釣れる危険な魚は、アイゴ・ゴンズイ・ハオコゼだけではありません。この3種の特徴に当てはまらないことは、素手で触ってよい根拠にはなりません。

魚種を判断できないときは、針外しより先に確認します。写真を撮る場合も魚を握らず、体全体、頭、ひれが見えるように撮影すると、見分ける手掛かりを残せます。写真だけで判断できない場合も、直接触れずに対応してください。

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