秋のエギングで底を取るには、着水後の糸ふけを整え、沈む間のラインの動きを見て、変化が出たら軽く張って確かめます。着底を確認したら、底に置いたまま待たず、エギを持ち上げて次の誘いに移ります。
ただし、秋のアオリイカが必ず底にいるわけではありません。岩や海藻が多い場所では、毎回着底させず、底の少し上を通すほうが根掛かりを減らせます。
底取りの基本手順|着水から最初の誘いまで
底取りとは、エギを沈めて海底に届いたことを確認する操作です。最初は明るい時間に、風や流れが弱く、底の障害物が少ない場所で練習すると、ラインの変化を見分けやすくなります。
- 着水したら、余分な糸ふけを取る。糸ふけは、ラインがたるんだ状態です。リールのベール(ラインを巻き取るための金属製のアーム)を戻し、風でできた大きなたるみだけを巻き取ります。エギを手前へ引くほど巻かないようにします。
- 竿先を低めに保ち、ラインを見ながら沈める。竿先から水面までのラインと、ラインが水面へ入る位置を見ます。竿先の高さを大きく変えず、着水からの秒数も数えます。
- ラインの動きが変わったら、軽く張って確かめる。余分なたるみを巻き取り、竿先を小さく持ち上げます。強くしゃくらず、エギが動くか、重みが続くかを確認します。
- 着底を確認したら、エギを浮かせる。底を引きずらず、竿を持ち上げて底から離し、しゃくりにつなげます。しゃくりは、竿を動かしてエギを跳ね上げる誘いです。
ベールを戻したまま沈めると、ラインの張り方によってエギが手前へ寄ります。真下へ沈むとは限らないため、着底までの時間だけで水深を決めつけないでください。
着底は「ラインが止まる・緩む」を手掛かりにする
エギが沈むにつれて、ラインが水中へ引き込まれたり、たるみが少なくなったりします。底に届くと、その動きが止まったり、張っていたラインが緩んだりします。手元に明確な衝撃が出ないこともあります。
| 見えた変化 | 考えられる状態 | 次の操作 |
|---|---|---|
| 水中へ入るラインの動きが止まる | 着底の可能性。ただし、潮や糸ふけの影響もある | たるみを取り、小さく持ち上げて確認する |
| 張っていたラインが急に緩む | 着底、またはイカがエギを持ち上げた可能性 | ラインを軽く張り、重みや動きの変化を確かめる |
| ラインが横へ走る、沈む途中で急に張る | イカのアタリ、または流れの変化の可能性 | 糸ふけを取り、動きと重みを確かめて合わせを判断する |
| 前の一投で着底した時間を過ぎても変化が分からない | 風や潮でラインが膨らんでいる、または水深や沈み方が変わった可能性 | 長く放置せず回収し、近い距離でやり直す |
ラインが止まっただけで着底と断定せず、重みがあるだけでイカとも決めつけないことが大切です。沈む途中にラインが走るなど、不自然な変化があればアタリの可能性があります。糸ふけを取ってイカが乗ったと判断したら、竿を持ち上げて針を掛ける「合わせ」に移ります。一方、動かない硬い抵抗があるときは、根掛かりを疑い、強くしゃくらないでください。
ラインは張りすぎず、緩めすぎない
少し張って沈めると変化を拾いやすい
ラインに軽く張りを持たせて沈める方法を、テンションフォールと呼びます。エギの重みやアタリを感じ取りやすい一方、エギは手前へ斜めに沈みやすくなります。
初心者は、ラインを一直線に強く張るのではなく、大きなたるみだけを取るところから始めると操作しやすくなります。竿先でエギを支え続けるほど張ると、沈み方が変わります。
緩めて沈める場合はラインを見る
ラインを張らず、エギを沈める方法をフリーフォールと呼びます。手元へ変化が伝わりにくいため、ラインの動きを見る必要があります。ベールを開けて糸を送り出す場合も、出しすぎて大きなたるみを作らないようにします。
風に押されて大きなたるみができたら、余分な分だけ巻き取ります。ラインを出し続けるだけでは、着底もアタリも分かりにくくなります。
着底までの秒数を、次の一投の目安にする
一度着底を確認できたら、そのときの秒数を覚えます。同じエギを使い、同じ方向と距離へ投げ、同じように沈めれば、底に近づくタイミングの目安になります。
例えば、ある一投で着水から約20秒後に着底を確認できたなら、次はその少し前からラインを注意して見ます。岩や海藻が多ければ、着底前に誘いを始める判断にも使えます。
この20秒は説明用の例であり、共通の待ち時間ではありません。投げる方向や距離、潮、風、エギ、ラインの張り方が変わったら、着底の目安も取り直します。
パッケージに記載された沈下速度も参考にはなりますが、実際はラインの抵抗や流れで変わります。「表示どおりの時間が経ったから底」とは判断しないでください。
根掛かりを減らすために変える操作
着底後に待たず、底を引きずらない
エギの後部には、カンナと呼ばれる針が付いています。底に置いたまま流されたり、横へ引きずったりすると、岩や海藻に掛かりやすくなります。
着底が分かったら、エギを持ち上げて誘います。底に触れた状態でリールだけを巻き、長く引きずる操作は避けます。
秋は毎回の着底にこだわらない
秋のアオリイカは、浅場や中層で反応することもあります。中層とは、水面と底の間の深さです。底を取る目的は、エギの位置を把握することであり、毎回必ず底まで沈める必要はありません。
海藻が付いて戻る、同じ位置で何度も掛かるときは、沈める時間を短くします。投げる方向や距離も変え、障害物に触れないコースを探します。
分かりにくい日は遠投を控える
遠くへ投げるほど、水中や空中にあるラインが長くなり、風と潮の影響を受けます。着底が分からないときは、さらに長く待つより、近い距離で底取りをやり直すほうが判断しやすくなります。
エギの重さや沈下タイプを変える方法もありますが、重くすれば根掛かりが減るとは限りません。まず投げる距離と糸ふけの量を見直します。
根掛かりしたら強くしゃくらない
エギが動かなくなったら、強くしゃくらず、いったんラインを緩めます。安全に移動できる範囲で立ち位置を変え、引く角度を変えると外れる場合があります。足場の悪い場所や水際へ無理に移動しないでください。
外れないときに竿を大きく曲げて引くと、破損につながります。PEラインを素手に巻き付けるのも危険です。ラインを切る必要がある場合は、専用のラインブレーカーなどを使用方法に従って使い、竿やリールに無理な力を掛けないようにします。外れたエギが飛んでくることがあるため、ラインの延長線上に自分や周囲の人が入らないようにしてください。
外れた後は、リーダー(PEラインの先端に結ぶ糸)や結び目、PEラインに傷がないか点検します。傷や毛羽立ちがあれば、傷んだ部分を切って結び直します。点検箇所は、PEラインがキャスト時に切れる原因と点検手順でも確認できます。


