マアジは尾に近い体側の「ゼイゴ」、サバは背中の波状模様と尾の手前の小さなヒレ、イワシ類は体側の黒点や口・目の特徴を組み合わせて見分けます。銀色の体や大きさだけでは、小さな魚を取り違えやすいためです。

この記事では、堤防のサビキ釣りなどで釣れるマアジ、マサバ・ゴマサバ、マイワシ・カタクチイワシ・ウルメイワシを比較します。これら以外の魚も釣れるため、特徴が合わない魚を無理に当てはめないでください。

まずは尾の近くと背中を見る|アジ・サバ・イワシの比較表

魚体形口の特徴模様・見分ける目印
マアジ横から見るとやや高さがあり、左右に薄い口は前向き。口の形よりゼイゴを優先して確認する尾に近い体側に硬いゼイゴ。えらぶたの後ろ側に黒い斑点
マサバ・ゴマサバ細長い流線形で、胴に厚みがある体の先端に比較的大きな口がある背中に波状の模様。尾の手前に小さなヒレが並ぶ
マイワシ細長く、左右にやや薄い口は体の先端にあり、カタクチイワシほど大きく切れ込まない体側に黒い点が並ぶ。ただし小さな個体では不明瞭な場合がある
カタクチイワシ細長い上あごが突き出し、口の切れ込みが目の後ろまで続く体側にマイワシのような黒点列はない
ウルメイワシ細長く、胴が比較的丸いカタクチイワシほど口の切れ込みが長くない大きな目が目立ち、体側に黒点列はない

体形と口は補助的な目印です。まずゼイゴや尾の手前の小さなヒレを確認し、その後に模様と顔を比べると判断しやすくなります。

マアジの目印は体側のゼイゴ

マアジを見分けるなら、尾に近い体側を横から見ます。体側を走る線に沿って、硬いウロコがギザギザと並んでいます。これがゼイゴ(ゼンゴ)です。

体側を走る線は「側線」といい、水の動きなどを感じ取る器官です。マアジでは、その後半に並ぶゼイゴが目印になります。えらぶたの後ろ側にある黒い斑点も合わせて確認しましょう。

ただし、ゼイゴがある魚すべてがマアジとは限りません。ほかのアジの仲間にも見られるため、体形やえらぶたの斑点も合わせて判断します。

ゼイゴを探すために指で強くなぞる必要はありません。小さな個体では目立ちにくいため、魚を横向きにして明るい場所で観察してください。

サバは背中の波状模様と小離鰭を見る

マサバとゴマサバは、背中の青緑色の部分に、うねった線のような模様があります。さらに尾の手前には、背側と腹側に小さなヒレが並びます。

この小さなヒレを「小離鰭(しょうりき)」と呼びます。この記事で扱うマアジとイワシ類にはないため、比較するときの重要な目印です。ただし、小離鰭はサバ以外の魚にもあるので、背中の模様と合わせて確認してください。

マサバとゴマサバは体側の斑点で比較する

  • マサバ:背中に波状模様があり、銀色の体側には通常、ゴマ状の黒い斑点がありません。
  • ゴマサバ:背中の模様に加え、体側にもゴマを散らしたような黒い斑点があります。

ゴマサバは胴が比較的丸く、マサバはやや左右に薄い傾向もあります。ただし、小さなサバでは斑点が不明瞭で、見分けにくいことがあります。体形だけで決めず、背中と体側を分けて観察しましょう。特徴がはっきりしなければ、マサバかゴマサバかを無理に断定しないことも大切です。

イワシ類は黒点・口・目を組み合わせて比べる

イワシ類まで絞れたら、体側の黒点を見ます。黒点がはっきりしない魚は、口の切れ込みと目の特徴を比べます。

マイワシ|体側に並ぶ黒い点が目印

マイワシは体側に黒い点が列状に並びます。点の数や並び方には個体差があり、複数列に見える場合もあります。

小さな個体では黒点が目立たないこともあるため、「黒点がないからマイワシではない」とは判断しないでください。口がカタクチイワシのように大きく切れ込んでいないか、ウルメイワシのように目が目立つかも合わせて確認します。

カタクチイワシ|突き出した上あごと大きな口

カタクチイワシは、上あごが下あごより前に突き出しています。横から見ると、口の切れ込みが目の後ろまで伸びているのが特徴です。

黒点のない細長い魚が釣れたら、頭を横から観察してください。上あごが突き出し、その下にある口が大きく切れ込んでいれば、カタクチイワシを見分ける有力な手掛かりになります。

ウルメイワシ|大きな目と丸みのある胴

ウルメイワシは大きな目が目立ちます。目を覆う透明な膜である「脂瞼(しけん)」が発達しているのも特徴です。

体側にマイワシのような黒点列がなく、口の切れ込みもカタクチイワシほど長くありません。目の大きさだけで決めず、透明な膜、口の形、胴の丸みを合わせて比べます。

小魚を取り違えない観察の手順

  1. 魚ばさみなどを使って魚を安定させ、横向きに見る。
  2. 尾に近い体側にゼイゴがあるか確認する。
  3. 背中の波状模様と、尾の手前の小離鰭を確認する。
  4. イワシ類なら、体側の黒点、口の切れ込み、目の特徴を比べる。
  5. 迷ったら、魚全体の横向き写真と頭の拡大写真を残し、図鑑などで特徴を照合する。

魚の色や長さ、同じ群れから釣れたことだけでは決めないでください。サビキには複数の魚種が混じることがあります。また、ウロコの落ちやすさだけでも種類は判別できません。

アジと分かったら、魚の大きさと口に合う針を選ぶ参考にできます。具体的な選び方は、サビキ針のサイズと針・ハリスの確認ポイントで説明しています。

持ち帰る魚は観察後すぐに冷やす

写真や観察に時間をかけすぎず、持ち帰る魚は速やかに保冷します。アジ・サバ・イワシは、温度管理が悪いとヒスタミンによる食中毒の原因になることがあります。

一度できたヒスタミンは、通常の加熱調理では分解されません。臭いや見た目だけで安全とは判断できないため、釣り場での保冷が大切です。

氷の使い方や帰宅後の扱いは、釣った魚の持ち帰り方を参考にしてください。